「全く怖くなかったですよ。安心してください。事が大きくならないようにしたつもりです。」
2発ほど受け止めてしまったが、基本避けるスタイルを守り切ったはず。
「そりゃそうしてくれ。どうせほとんど避けたんだろうけど。普通は避けるのも難しいんだからね。」
うーん。そうなのか。でも私からしたらあの状況で手を出して加減する方が難しそうだと思った。
だったら避ける方が簡単だ。
「で、でも…憂も簡単に避けれますよ、ね。」
「まあそりゃね。あたしだってちゃんとトレーニングしてんだからね。舞莉はしてないと思うけど…」
「え、なんでわかるんですか。憂は超能力者かなんかですか。」
「そうなのよ。あたし実は超能力者なのよ。」
「すごいです!」
私も超能力欲しいな。エスパーになりたいな。
-キーンコーン…カーンコーン…-
昼休みが終了。
私と憂は席が前後。今はまだ出席番号順だから。
きっと席替えをしたら離れてしまうだろう。だから席替えはしたくない、なんて我儘。