「お、帰ってきた」

私と憂が戻ると和十君が迎えてくれた。
稜牙君は何か考え込んでいる様子だった。
でも、こっちに気づくと
軽く手を挙げてくれた。


キーンコーン…カーンコーン…


丁度タイミング良くチャイムが鳴った。
私たちは急いで席に着いた。


只今、帰りの用意をしている。
もう放課後。


「今日は俺ら2人で帰るから~」

「あっそ」

「冷てーな」

「………」

「うわ、無視すんなよ」


というか、今日は憂と2人で帰れる。

いろんな話をしよう。
少し、聞きたいこともあるし。


「和十、行くぞ。じゃな」

「はい、また月曜日に」


今日は金曜日だから
次会うのは月曜日。


「おぃ稜牙!俺を置いてくなよ
 じゃあなあ」

「バイバあイ」


憂は笑いながら手を振っている。


「舞莉、あたしらもそろそろ帰ろっか」

「はい」


私は髪をおろし、眼鏡をとった。