「お前ら大丈夫か?」

金蝶が俺らに話しかけた。

「…つっ、…大丈夫っす」
「大丈夫です」


俺ら2人の返事を確認してから
金蝶は和十に話かけた。


「そりゃ、良かった。
 あの族は薬やってんだろ」

「なんでわかんだよ」

「企業秘密、でも抜けて正解だ。
 お前は間違ってない。
 あと、お前」


女は俺を指差した。


「なんだよ」

「えーと、出てこない!」

「闇虎だろ」


雷渦が金蝶に言った。
なんで俺の通り名知ってるんだ?


「なんで…」

「調べたら出てくるでしょ、普通に。
 で、最近暴れ回ってるらしいけど
 やめなよ。そんなことするより
 今みたいに仲間を守れ。
 仲間を守る為ならどんなに汚れても
 誇れる姿だと私は思う、だから
 周りをしっかり見ろ。
 お前をしっかり想ってくれてる奴が
 絶対いるはずだから」


金蝶が俺に言った。
苦しくなった。
それと同時に俺の中の何かがなくなった。


「あー、俺お前のそういうとこ
 好きだけどさ、程々にしろよ」

「いいでしょ、別に」

「いいけど、帰ろうぜ」

「うん」


金蝶と雷渦が会話をしていた。
帰るのかと思った。
でも金蝶は俺たちに言葉を発した。


「守りたいものがある。
 それが本当の強さだ。
 どんなにボロボロになったとしても、
 守り抜け、最後まで」


そう言って去って行った。
この言葉が俺を成長させてくれた。
そして、支えになってた。
それは和十も同じだった。

俺たち2人は感謝の気持ちでいっぱいだ。