私も教室に戻ろう。

友人と言うには純粋過ぎて、でも闇を隠し持っている。そんな大切な存在である憂に話した。




佐々木憂(ささきうい)
   高校2年








「舞莉…多分それリンチじゃないの?」

脳内にハテナが浮かぶ。そんな私を察したのか憂は言い換える。

「だから、いじめじゃないの?ってこと」

「あぁ、いじめ」

あれはいじめだったのか。まあ確かに一人呼び出し複数人相手というのは何処かでよく聞くいじめの定番シチュエーションだと思った。

「あんた、納得しなくていいから」





桜沢舞莉(さくらざわまり)
    高校2年





「てゆーか、2年になってからそういうことしてくるのね」

「本当ですね。やるんだったら1年の時からの方がわかりやすいしですよね。」

「同意しないでよ、あんたは本当に。というか多分ね、いじめを実際にされてそんなに普通で居られるの舞莉だけだと思うよ。」

憂はすごく呆れてた。
私そんなにいけない事を言ってしまったのだろうか。

「うーんでも、あれくらいでいじめって言うんだったらなんか拍子抜けです」


全然怖くなかった。あの女の子たちを傷つけずに終わらせるにはどうすべきか頭を働かせるのに疲れたぐらいだ。

「拍子抜けって…。まあ舞莉が怖がってたらそれこそ私も驚くわ。」