紅佐離


「先生は昔、不良でしたか?」

「なんでそう思う?」


素直に殺気が出ていたから
と言った方がいいのか?

嘘をついてもどうにもならないし…
正直にいおう。


「先程の殺気で…」

「まじ?俺殺気出してか…悪ぃな。
 で、俺は昔不良だったぞ」

あら…本当に不良だったのか。
でもあの殺気からして…

きっと強い。


「族に入っていましたね」

「あぁ、つかなんで殺気だけで
 そんなにわかるんだよ
 お前みたいな真面目ちゃんに…」


真面目ちゃん…ね。
この先生ムカつく。
というかこの先生の名前思い出せない。
まぁ、いいや。


「気にしないで下さい
 じゃぁ失礼します」


私はこれ以上ムカつきが上がらないように、
急いで生徒指導室を出た。

というか…教室…遠い…
あの先生自己中かよ。

イライラする…本当に…。



教室に着いた。
あと5分程で休み時間が終了。


「舞莉~お疲れ!案外早かったね」

「…凄く疲れました…」

「ちょっ舞莉落ち着け!
 何気に殺気出てるから」


憂は焦りながら私を落ち着かせようとしてる。
でも無理だよ。

あの先生結構地雷を踏むから。


「おぉ、憂と桜沢ぁ!」


とてもテンションの高い声。
余計イラつくな。


「ちょっと、和十。
 今舞莉にしゃべりかけんな」

「なんでだよ、そーだ桜沢。
 下の名前で呼んでいいか?」

「バカッ」


ごめんね憂。もう無理。



ドカッ


「ごめんなさい!」


私は、目の前に居た和十君を



殴ってしまった。

でも、殴ってスッキリ。
本当はあの先生を殴りたい。