私の髪は“金”。


学校にはスプレーで染めて行っている。

学校での私の髪は“黒”、
お風呂上がりには“金”。

いつか学校にも本当の姿で
行ける日は来るだろうか。

私は来ようと来なかろうと
どちらでもいい。

でも拓兄は私が偽りの姿で
学校に行くことをあまり良く
思っていないらしい。







*【舞莉が背負う事じゃねーよ…

  俺が舞莉の人生狂わしたんだ。
 
  俺があの時あいつの計画見破ってれば

  そうすればこんな事…許してくれ】



今にも泣きそうな顔で、
でも力強い声で、

あいつは私に言った。

そして私が逆らおうとすると

【お前は悪くねー。俺がいけねーんだ】

って。
それでも私は逆らった。
例えなんと言われようと。

私の責任だから。

私があいつを守ってやれなかった。
逃げるなんてらしくない。


最後まで、


背負っていくと決めた。



だから… *




-ガバッ…-


夢か。
久々に見た。
決して忘れてはいけない私の責任。


お腹のところに毛布が掛かってる
なんで…拓兄かな。

ありがとう。


って!今何時だ?
あぁ、もう7時!寝坊だ。

きっと拓兄は学校遅刻していくんだ。

今だに起きてこないし。
早く淳哉起こそう。

淳哉まで遅刻になってしまう。

朝ご飯を急いで作った。
淳哉を起こして急いで準備させ、家を出る。

私、自分自身の準備が何も出来てない。
髪は“黒”に染めたが、
縛ってない。