「じゃ、帰るわ!明日学校でね」

「はい明日」


-バタン…-


本当に私の話を聞いただけで
帰っていった。

嵐が去っていった感じ。

私はリビングに戻り、
ソファーに座ってテレビを見た。


「じゃな」
「おう」
「明日」


拓兄とその友達の声が聞こえてきた。
お見送りかな。


「舞莉、皿ここ置いとくぞ」

「はい」


私は返事だけしてテレビに集中した。


「お前、もう風呂入ったのか」


拓兄は私の髪を軽く触りながら言った。


「はい、憂が来てお風呂に入りなさい
 と言われたので…」

「でもいいんじゃねーか?
 お前いつも入るのおせーし。
 にしてもお前の髪綺麗だよな、
 学校にもこのままいきゃーいいのに」

「それは駄目ですよ、
 校則違反になってしまいます」

「…そっか、そうだよな。
 じゃ、部屋戻るわ」

「はい、あ!
 たまには淳哉と遊んであげて下さい」

「了解」


拓兄はリビングから出ていった。

そして私は自分の髪を触りながら


昔の記憶をたどった。