『うん、平気。どうしたの』

「実は…今日、稜牙君を…お家にあげました」




『……は?
 ちょっと待って。今から舞莉ん家行ってもいい?』

「うん…大丈夫ですよ」

『じゃぁ切るね』


なんだか話がとんとん進んだな…。


「舞莉ー、開けて」

「はーい」


チャイムを押してくれればいいと思うんだが…なんで。


「早いですね、憂」

「もちろんよ、いきなりあんな事言われたら吃驚するじゃない!
 電話切った後、ダッシュで来たんだから」


と言うわりには息は切れてない。


「ありがとうございます…?」

「いーのよ、それより…あんたまだ制服じゃん」

「着替えるひまがなかったので…」


色々あったし。


「そっか。じゃ、今から着替えといで。
 てかお風呂入って来なさい」


なぜ、命令系?
それにまだ8時。


「まだいいですよ。それより中に入って下さい」

「舞莉がお風呂入るんだったら、中に入れさせてもらう」


なんでそんなにお風呂に入らないといけないの?

よく意味が理解できない。
でもここで“入る”と言わなかったら多分ずっと中に入ってはくれないと思う。
だから、


「わかりました」

「よし、じゃあたし待ってるから入って来な」

「お言葉に甘えて…」


私はお風呂に入った。