皆なぜか固まる。少しの緊張。

「調子に乗りすぎよ」

予想的中。私はこの状況下ではいけないことしたらしい。
女の子は強い、けど弱い。手は出さない。私の中では護るべき相手。


だけど、ちょっと遊ぶくらい、許してくれるかな。ここまで馬鹿にされたのだから相手をしてあげよう。

と考えてたら左右から一人ずつ、私に向かって走ってくる。力一杯片手で拳を作って。






カスッ


シュッ






私は避けた。手を出すことは私のルールに反する。ならば避けるくらいならば、と。

「なんで当たんないのよ」

そりゃ私が避けてるからだろう。避けるのが良くないのならば掴もうか。


パシッ


更に別方向から私へ向かってきた2人の手首をソフトにキャッチ。

そして、そして主犯格の女の子の耳元へ素早く移動し一言発する。

「っ!!!」

その子は後方へ足を一歩出した。それは後退。もう前へ出すことができないだろう。
自分の中の恥ずかしい部分を、嫌悪している相手から言われるほど屈辱的なことはないだろう。心の中で小さく謝ることにした。


そして彼女たちは体育館裏から去っていった。