舞莉side



今は17時過ぎ。暗いと言えば暗いが。

微妙な感じ。




「ありがとうございましたー」

コンビニの店員さんの元気な声が響く。


私はパン粉とジュースの入った袋を揺らしながら家を目指す。

淳哉と稜牙君を2人だけにしてしまうのは申し訳ない。ちょっとだけ近道をしよう。

少し細く暗い道だが約10分程の時間を短縮できる道。

まああまり人が通らないのをいいことに不良たちが溜まっていることが多々ある。


「まあ、暗いわな…」


一言呟いてその道へ足を進めた。





「でよー……が…だよ」


誰かの声。
というか、完璧に不良たちの声。

何もしなければ大丈夫だろう。

せっかくの近道だから時間は潰したくない。



でも、やっぱりそんな簡単にいくものではないよね。



「誰だよテメー」
「お譲ちゃん来た道を戻ってくれるかな」
「つーか、お譲ちゃんって柄じゃねーだろ、地味子」
「ギャハハハハ」


男たちの下品な笑い声が響く。
というかとてもムカつく。


手、出していい?