紅佐離


-トントントン…トントン-

玉ねぎを切る音がキッチンに響く。リビングでは淳哉が楽しそうにしてる。

私たちには兄がいる。でも滅多に淳哉に構っていない。だから、稜牙君を兄と被せてみているのかな。







今日はもうイベントしかないみたい。夜はぐっすり眠れるだろうか。

「あ、パン粉がありません…」

「どうした」

私の小さな声に稜牙君は気づいてくれたようで淳哉とキッチンに来てた。

「パン粉がなくてですね…」

「買って来るか?」

「え…ちょっと、今から近くのコンビニで買って来ます。ので淳哉の相手をもうしばらくお願いしてもいいでしょうか」

「あぁ。でもこっからコンビニって結構距離あるぞ」

「ねぇちゃんはな、すぐかえってくるんだぞ」

「そうか、でも暗いし危なくないか」

「いえ、私は大丈夫です。淳哉、お願いします」

心配そうにする稜牙君を横目に強引に家を出る。


-ガチャ…



 バタン…-