紅佐離


「智」

「あ?」

「折角出てきたんだから
 あっちの部屋行こうか」

「夏輝、悪い。お前らも」

「何言ってんだよ!
 智が舞莉ちゃんのこと
 大好きだってこと知ってるから」

「は?いや悠樹、話の内容全然ちげえ」

「ねえ、智っち。
 俺らもマリリンも智っちのこと
 大切な仲間だと思ってるから」

「え」

「うん、思ってる。
 智だけじゃないよ。
 夏輝も悠樹も琥珀も…
 貌龍のみんな大切だよ。
 大切な仲間、代わりなんていない

 手放したくない。
 傍にいてほしい。
 みんなの為なら命だってかけれるよ」

「舞莉!…お前の命は…」

「うん、わかってるよ拓兄。
 雷斗が残してくれた命。
 大切な光。
 だから死なないよ。
 でもみんなは絶対に守りきるから、
 何があっても、絶対に」


雷斗…ありがとう。
大切にするよ。
でも命を守る為に仲間を見捨てるなんて
私には出来ないから…ごめんね。

弱い私で……。