紅佐離


「あ――、確か君、闇虎だよね?」

「え、はい。
 そうっす」


さすが、夏輝。
通り名がある人物はすでに
調べてあるってことか。


「ふーん、で?
 なんでマリリンと一緒にいる訳?」


未だに私に抱きついている琥珀。


「だから、お友だ「お友だち?
 此処に連れて来たんだから
 それなりの理由があるんだろ?」


拓兄…ごもっともです。


「私はね、稜牙君に仲間っていう
 ものを知ってほしいなって思ったの」

「…仲、間?」

「そう、仲間。
 命をかけてでも、どんなことが
 あろうとも、裏切りたくない
 守りたい、救いたい、
 そう思える人がいるだけで、
 どれだけ強くなれるかを」


私は小さく微笑みながらみんなに話した。
琥珀は私のことをぎゅって抱きしめてくれた。

大丈夫、俺たちは此処にいる。

そう言い聞かせてくれている
みたいで安心した。
ありがとう、琥珀。