紅佐離


「なんで一ヶ月も来なかったの?
 …て聞かない方がいいみたいだね」

「うん、ごめん…ね」

「大丈夫だよ、こうして来てくれた訳だし」

「そうだよ!マリリン!
 ハグしよ!ほら、ぎゅー」


拓兄から私を引き離し、
琥珀は自分の胸に私を入れた。


「ぎゅ、ぎゅー!」

「マリリンかわゆー」

「ちょ、琥珀(コハク)」


琥珀も相変わらずだ。
琥珀だけ、私のことをマリリンと呼ぶ。

かわいいあだ名だなーって思う。
琥珀だけしかこう呼ばないから、
すぐに、琥珀だ、ってわかるの。

悠樹、琥珀、拓。
この三人が貌龍の幹部。
そして、夏輝は副総長。


「で、舞莉ちゃん?」

「どうしたの?夏輝」

「この男の子は誰かな?」

「も、もしかして…
 舞莉ちゃんのかか、彼氏?!
 悠樹ショック!!!!」

「マリリンは俺のだ!」

「え、マジで?舞莉の彼氏?
 ゆるさん!俺の舞莉だ」


ちょっと、お兄さん方…
やめんかコラ。


「違うよ、学校で出来たお友だち」


あ、なんか今チクってした。


「え、あ、初めまして。
 佐伯稜牙です」


稜牙君は礼儀正しく、
挨拶をして一礼した。

きちんとしてるんだなあ
って感心してる場合じゃない!