「舞莉ちゅあああ―――――んっ」

「悠樹(ユウキ)、うるさい」


悠樹が私の名前を叫びながら
抱きついてきた。

その光景を稜牙君は
放心状態で眺めていた。


「ああ、久しぶりの舞莉ちゃん!
 俺の舞莉ちゃん!
 生の舞莉ちゃん!
 あ――、ちゅーしたい!
 していいよね?うん、いいよ。
 はい、ちゅ―――」

「悠樹―――――!!!!
 俺の妹に手ェ出すんじゃねー!」



―ドス―



「ぐぇ」


拓兄が悠樹を殴り飛ばし、
私を抱きしめた。


「拓兄、ありがと」

「お前も殴ってやれ!」

「遠慮しときますー、
 拓兄が殴ってくれたから大丈夫」

「舞莉ちゃん、
 久しぶり。一ヶ月ぶりかな?」

「久しぶり、夏輝(ナツキ)」


相変わらず落ち着いた雰囲気の夏輝。
族の副総長で指令を出してる。
敵の族の情報をよくハッキングしてる。

私もたまに手伝わされていた。