「こんな話聞いて何とも思わねーの?
 引くとか」

「なんでですか?
 人によっていろんな家庭があります。
 だからひいたりなんてしないよ」

「そっか…ありがとな」

「こちらこそ話してくれてありがとう」


私は稜牙君に向かって微笑んだ。
でも…私って笑わない方がいいかも
って思った。
だってさ、目そらされたんだもん。

ちょっとショック…


「あの…私今日はサボりますね」

「?…どこ行くんだよ」

「これは…言えません。
 あの、稜牙君」

「なに?」

「稜牙君は話をしてくれたのに、
 私は……」


稜牙君は勇気を出して私に話してくれた。

だから本当なら私も全てを
打ち明けないといけない。

でも…
私には到底できない。

例え今まで通りに接してくれたとしても…
私たちの間に気づかいが生まれると思うから。


「ごめんなさい」


今の私には謝ることしかでない。
正直…悔しい。


「謝ることねーよ。
 話せる勇気が出てた話して。
 お前のこと信じてるから」

「はい…ありがとうございます…」


なんか嬉しい。