「なあ、
 さっきからなに喋ってんだよ」

「和十黙れ、
 企業秘密の内容なのよ」


いや、憂。
そこまでブラックオーラ
出さなくても大丈夫。

というか、
奏の会いたいヤツって言うのが…
稜牙君だったなんて…

喧嘩したって、
強かったって、奏は言ってた。

どういう意味なの?


「お前」

「何」


奏が稜牙君に話しかけた。


「来い」

「あぁ」


そう言って奏は私の隣を通り過ぎ
稜牙君の方へ歩いたかと思うと、
通り越してそのまま廊下へ出てった。

そして、
その後を追うように稜牙君も廊下へ行った。

するとタイミングよくチャイムが鳴った。

憂も和十君も訳が分からないという表情だった。

でもそれ以上に私は心配だった。

稜牙君のことが…