「じゃ、舞莉また明日」
「また明日」
「じゃあな」
「おう」
憂と和十君と別れたは良いものの、凄く気まずい。これは一体どうすればよいのだ。
「あの…」
「ん?」
「稜牙君のお家はどちらなんですか?」
「秘密」
「秘密ですか…」
秘密と言われてしまっては話が続かない。それに今私は、自宅ではなく淳哉の保育園に向かっている。
家がこっちならいいけど。
「お前、家ってどの辺?」
「えっと…今、保育園に向かってて…すいません。お家がこちらじゃなければ…」
なんか言葉が続かないな。
「いや、俺は時間あるし、ちゃんと送ってくから気にすんな」
「あ…ありがとうございます…」
稜牙君は優しい。
和十君はその場の空気を明るくしてくれるムードメーカーかな。
稜牙君は謎。あまり話さないからどんな人なのか掴めない。でもきっと、仲良くなっていけばわかってくると思う。
「稜牙君と和十君はとても仲良しですよね」
「あいつとは幼馴染。いつも近くにいるからウザいよ」
「ウザいですか?でも一緒に居たら楽しいじゃないですか」
「んーまあ、そうなのかもしれないな」
こんな感じで軽い会話を続けながら保育園に向かった。
「着きました」
「ここで待ってる」
私は淳哉のクラスまで迎えに行った。
「淳哉」
「ねぇちゃん!」
淳哉は私に飛びついてきました。



