私は私の大切な人を傷つけられることが嫌い。
自分自身が標的になる方が幾分か心が落ち着いていられる。
私のかけがえのない人を傷つけられたならば、どうしようもなく壊れてしまうだろう。
今、私は体育館裏に呼び出された。何をされるかちょっとだけ楽しみだったりする。
「あんたでしょ?地味ブス女って」
「え、、、」
「驚かなくても鏡見ればすぐ理解できるでしょ」
「そうなんですかね」
「自覚ないとか一番笑えるんだけど」
随分と酷い言われようだ。全く自覚がないから私は笑える奴らしいんだが。困ったな。
「そう。失礼」
「うっざ。もう学校来なくていいよ。さよなら」
周りに居た女の子達が私を睨みつける。それぞれの個性溢れる表情だなと思った。
主犯格の女の子が右手を高く挙げ、私の左頬を目掛けて落ちてくる。
全く、いきなり危ないな。なんて呑気に考えながら。
-パシッ-
主犯格の女の子の右手首を掴む。
「なにすんだよ」
「そんなことしない方が良いよ。きっと手、痛いよ。やめておこう」
少し控えめに発した。