「こんにちは」
 あの夏の日、あたしたちがハッチと出会った日。


 ひどく暑い日、あの子はお母さんに連れられて引っ越しの挨拶に来た。


 「おんなじようちえんにかようの。よろしくね。カレンちゃん、ユキノくん」
 「同じ幼稚園に通う」と言ったあの子は、近所じゃそう見ないような可愛い子だった。


 外で遊ぶのが大好きで。何でも知ってる物知りで。人のいやがる仕事も自分からやってくれるような優しい子。
そして何より笑顔の似合うあの子は一体、どこに行ったの?