「つか意外だった。そっか、ハッチだったのか」
「うん。ゴメンな」
「何で謝るんだよ」
 俺が目を隠したのは、傾いた西日が痛かっただけじゃない。


 「俺もさ」
遠くに声を放り投げるようにアキラは続ける。
「かなり反対されたんだ。ショウコと付き合いたいって言ったとき」
 ショウコ。アキラの彼女。
1つ下の後輩で、確かいじめにあっていたはずだ。
「ショウコさ、いじめられてただろ。それに、顔可愛くないし。頭良いだけだろ?だから、反対されてたんだ。何であんなのがいいんだって。でもさ、好きになったんだからしょうがないだろ」
「ああ。そういやだいぶ言われてたよな。趣味が悪いとか何とか」
「そうそう。でも恋愛って顔でするもんじゃないと思う。俺はどうしてもショウコがよかったんだ」