「!」
 教室に入ってすぐ目に付いたのは、私の机に置かれてる白い菊の生けられた花瓶。
 まあいつものことなんだけど。
「誰?こんなことしたの」
教室のあちこちから笑い声。


「この学校に菊は植えられてないから、わざわざ買ってきてくれたのね。私のためにどうもご苦労様」
言ってやれば、声を荒げて立ち上がった女子が1人2人3人。
「ふざけんな!このインラン女!」
馬鹿。犯人ってバレたわよ。


 可哀想な菊を花瓶から抜いて机に起き、花瓶を持って犯人グループに近付く。
 「顔でも頭でも適わないからって僻まないでちょうだい」


心底呆れたように見下ろせば、不細工な顔がさらに不細工になった顔でこっちを睨みつけてきた。
「まー不細工。これで少しはましになるかしら」
バシャッと花瓶の水を頭からかけてやった。


 わざわざ腐った水を用意してくれたようで、辺りはひどい臭い。
「あらダメだった。諦めてその顔で過ごすしかなさそうねえ」