女番長


龍の家の前まで来た。

ピンポーン


龍の家のチャイムを鳴らすと、少しして海君が出てきた。

ガチャッ


「は…い。」

「よう。」

「兄貴?」

あまりにもぎこちなくて、あたしは海君に挨拶をした。

「海君久しぶり!」

「えっ、真希さん?どうして真希さんが兄貴と?」

「実は、あたしも喧嘩やっててさ…、龍は、あたしの彼氏やねん。」

「本間ですか?」

「うん。」


すると海君はキッと龍を睨んだ。

「今度は真希さんなのかよ?」

「違う!真希は本気や。」

すると海君は少し安心したようやった。

「で、何で帰ってきたんだよ。」

「俺、グループ抜けてきた。」

海君は、驚いていた。

「海君、これは本間やで?龍、グループ抜けてここで暮らすって…。」

「今さら…。俺、どんだけ待ったと思ってんだよ!父さんも母さんも死んで、さらには兄貴も家に帰んなくなって…。俺、すげー寂しかった。」

「ごめん、海。俺これからは、ちゃんとここにいるから。まぁ、真希んとこにはしょっちゅう行くけどな!」

そう言って、龍は笑った。
海君も、笑ってた。

あたしはその日、龍と海君が仲直りしたのを見て、一人で基地まで帰った。