バキッ…

ドサッ…


「もう終わりかよ、おもんねえ。行くぜ。」

あたし、上原真希(うえはらまき)。

あたし女やけど、これでも番長やってる。
この辺じゃ結構有名やな…。

そして、あたしには今、どうしてもやりたいことがある。

それは…
あたしよりも少し上にいる、滝沢龍(たきざわりゅう)を倒すこと!!

この辺一帯の頭をやってて、誰も手を出せへんくらいのすげーやつ。

でもあたしは、アイツを倒しててっぺんにのぼるんや。

周りの仲間には馬鹿やって笑われるけど、あたしは本気。
ここまでくるのにハンパない苦労を重ねてきたんやから、アイツを倒すのもできるんや。

「あっ!真希さんや!道あけろ!」

『真希さん、おはようございます。』

「みんなおはよ。」

「早速朝からやってきたんですか?」

「うん。喧嘩売られてムカついたから。」

「これからどうしますか?」

「とりあえず、みんな自由でいいよ。でも、喧嘩はすんなよ。」

『はい!!』

あたしはさっそうと基地を出る。
あたし達の基地はもう使われていない大きな倉庫で、一室だけ部屋がついている。その部屋はあたしが使ってて、たまにみんなで酒をのむ部屋でもある。


ガチャッ

「ただいま。」

「あっ、お姉ちゃんお帰り〜!」

あたしには妹が一人いる。里菜(りな)っていって、あたしとは正反対でとても女の子らしくて、優しいすごくいい子。

そんな里菜のかわいさにあたしも惚れそうなくらい。
親は、あたしが中学二年生の時、里菜が小学六年生の時に、事故で亡くなった。頼れる身内もいいひんくて、小さなアパートで二人暮らしをして今までやってきた。
お金は、あたしと里菜それぞれバイトで稼いでくるお金と、親の財産でなんとかやってる。

「お姉ちゃん!私、彼氏できた。学校でな、告白されてん。」

「そっか。よかったやん。あたしの里菜がとられるんかー…。何か寂しいな!」

「大丈夫!私の一番は、お姉ちゃんやから。」

そう言い、あたしが大好きな里菜の笑顔を、見せてくれる。