「龍…?加奈…?里菜…?」

誰を呼んでも返事はなくて、あたしは走ってみんなを探した。


でも…どれだけ走ってもやっぱり景色は変わることなくて、ずーっと芝生やった。

花ひとつも咲いてなくて、あたしは諦めてその場に座り込んだ。



「…希!…真希!」

誰やろう?
聞き覚えのある声。

あたしの大好きな声。

あったかくて、優しくて…あたしを包み込んでくれる。


「真希!!」

龍…?


あたしは目をゆっくり開けた。


ちょっと視界がぼやけて誰の顔なんか分かりづらい。

「真希!」

でも、この大好きな声ですぐに分かった。

「…龍…?」

龍は、泣きながらあたしの頬に手をあてた。