ザッザッザッ


滝沢のもとへ向かう途中、誰一人として、口を開く奴はいなかった。



ザッ

「みんなストップ!」

「真希さん、どうしたんすか?」

達也が不思議そうな顔をしている。


「ちょっと、みんなに言っときたいことがあって…。」


ぐるっと一人一人の顔を見てから、あたしは口を開く。

「みんな、今までついてきてくれて、ありがとう。」

「何急に言ってんすか?まだこれからですよ。」

『そうっすよ!』

「そうやんな!ごめん。じゃあ、一気に突っ込むで!」

『おお!!』

全員が走り出す。



みんな、本間にありがとう。
あたし、みんなに会えて本間よかった。

あたしもみんなの無事を祈りながら、走る。

みんなには勝つと言っておきながら、心の中ではそんなこと全く思ってなかった。

"あたしらのレベルで、滝沢達に勝てるわけがない"そんなこと、あたしが一番知っていることやった。


ごめんな、みんな…
あたし、嘘ついた。
でも、これだけは信じて…あたしは、みんなのこと弱いとか、信用してないわけじゃない。

これ、本間やで?
みんなのこと、大好きやからな。
あたしの大事な、大事な仲間や。

頑張ろな。