ルーくんと付き合って2年が経った。


大学生のルーくんは

私から見たら、ますます大人に見える。


その証拠に

ルーくんは一度も私に触れてこない。



ううん…違う。



そう誤魔化したいだけで


本当はわかってる…。


ルーくんの心に私がいないからだって。



傍にいれるだけでいいって思ってたのに…。



切なさだけが募る。




いつも会うのは私の家で


一人暮らしを始めたはずなのに


一度も招きいれてくれた事もない。



ルーくんがくれるのは

繋いだ手の温もりと

そっと触れるだけのキス。




それだけでも…嬉しいよ…。



嬉しいけど…



会うのが私の家なのは…


私じゃなくて


お姉ちゃんに会いに来てるんだよね。




だって、いつもルーくんが帰る頃に


お姉ちゃんが帰ってくる。




「類また来てたの?」



「あぁ」



簡単に【類】って呼べるお姉ちゃんが羨ましい。




「ふふふ、本当に仲良しね」



一瞬、ルーくんが眉間に皺を寄せた表情を

私は見逃さなかった。



「可愛い妹を泣かしたら承知しないから」



「あぁ…わかってる」



そうだよね…。


私はルーくんのお姉ちゃんを想う気持ちを利用した。


ルーくんはお姉ちゃんの傍にいたいから

私と付き合ってる。



だから…ルーくんは傍にいてくれるんだよね…。