研究をし始めて2時間とちょっと。



私は明日の発表に使うパワーポイントの作製に、

先生は分厚い論文でも読んでいるようだった。




静かな研究室に、キーボードの音と紙と紙がこすれる音が響く。


休日の大学、それも数学科のフロアは本当に人気がない。

時たま、遠くから小さな笑い声が聞こえてくる程度だった。





ふんわり香るコーヒー。


ブラインドから差す暖かな夕日。


数学の数えきれない本に、数えきれない論文の山。




そして…先生。





なにもかもが、心地よく感じた。