――♪♪♪…‥ 徳士が必死に携帯の在処を探る中,私は通話ボタンを押す。 徳士のすっとぼけた顔が,笑える。 ――でも。 その笑いも電話越しの彼の一言で跡形もなく消える。 「…仕事がんばって,じゃあね。」 いきなりのドタキャン。 携帯を乱暴に机に叩きつけて寝室に戻る。 間抜けな徳士を無視して。