【ホラコン】笑うのは誰

「……」

 時弥はその後ろ姿をじっと見つめてゆっくり杜斗に顔を向けた。

「ねえ……」

「あん?」

 時弥の顔は半笑いで口元が微かに震えていた。

「もしかして……幽霊からの依頼だったんじゃ……」

「まっさかぁ~」

 杜斗は「わははは」と笑って右手を大きく振る。

「だ……だって」

「んな訳ねぇって。そんな事よりもよ」

 杜斗は時弥にニッと笑うと褒めるような声を上げた。

「あそこで“うるさい!”ってよく怒鳴ったな。あれであいつら動けなくなっちまったぜ」

 ちゃんと英語だったし。と、杜斗はケタケタと笑う。

「え……」

 しかし、時弥は目を見開いて杜斗を凝視した。

「……あれ……杜斗が怒鳴ったんじゃないの?」

「え……」

 2人は互いに顔を見合わせた。

「あいつが叫んだとか……」

「あの声は違うと思う」

 呆然と立ちつくしている2人の前にピックアップトラックが止められる。

 運転席から顔を出したのはベリルだ。

「良ければ送っていくが」

「あ、ああ。頼むよ」

 呆然としながらも杜斗たちは後部座席に滑り込んだ。