「!」

 ベリルはすぐに感じた敵意に反応する。

 その様子を見て2人にも緊張が走った。

「……2人」

 ぼそりと言って駆け出したベリルのあとに2人も続く。

「わぁっ!?」

 突然、現れた影に少年2人は驚いて持っていたナイフを振り回すが、そんな慌てた状態では冷静な相手に敵うハズもなく。

「ぐえっ!」

「ぎゃっ!」

 ナイフを持っていた手の手首を掴まれ勢いよく引き込まれて倒れ込んだ処に杜斗と時弥のエルボーが炸裂した。

「あ、ホントだ。英語だぁ~」

「こいつらは幽霊じゃねぇだろ……」

 立ち上がった時弥の呑気な声に杜斗はがっくりと肩を落とした。

 ベリルは喉の奥から絞り出したような笑いをこぼした。