薄々、そうではないかと感じているベリルの足取りは自然と重くなる。

「……」

 どうしてもっと調べてから依頼してこんのだ……深い溜息が漏れた。

「?」

 何故、彼が溜息をついているのか2人には解らず首をかしげる。

「とりあえず……」

 ベリルは今後の戦闘について指示をだす。

「私が倒した相手のトドメを頼む」

「と、トドメ……?」

「腹でもなんでも殴れって事だろ」

 先ほどと違って、かなりサバサバした態度のベリルに杜斗(もりと)もなんとなく解ってきた。

「相手が幽霊だったら殴れないよ」

 時弥(ときや)の言葉に2人は顔を見合わせた。

 そして杜斗は溜息を吐きつつ時弥の肩にポンと手を置く。

「お前ね。そもそも幽霊だったら倒せないだろ」

「ああっ!? そうだった!」

「……」

 面白いな~……とベリルは2人の掛け合いに呑気な思考を浮かべた。