「銃は必要なさそうだ」

「え?」

 ベリルは呆れたような表情を浮かべてる。

「情報と違うって事か?」

「うむ」

 杜斗の問いかけに答え銃(ハンドガン)を返すように手を出す。

「なんで解るんだよ」

 銃を返しながら不満げに言った。

「さっきの男、銃を所持していない」

「そうなの?」

 品物の重要度から考えて武装していない事はおかしい。

「アーミーナイフは所持していた」

「あいつだけが持ってなかっただけじゃないのか?」

「取引中としては不自然だ」

 アメリカという国において一般人が銃を所持していてもおかしくはない。

 かと言って全ての人間が持っているという訳でもない。

 中には手に持った事すら無い者だっているのだ。

「他のやつが持ってたらどうすんだ」

「私が体を張って守ってやるよ」

 そこまで言われると反論出来ない。