「あのなぁ……」

 杜斗は情けないが励ましてやる事にした。

「幽霊よりも肉体を持ってる俺たちの方が強いんだよ。解ったか」

「そ、そうなの……?」

「この次元に存在してる俺たちは肉体のエネルギー持ってる分だけ強いの」

「本当……?」

 時弥はベリルに泣きそうな顔を向けた。

 ベリルは苦笑いを返し口を開く。

「そう云われているが、本当の事は解らないよ。ただ、相手に肉体が無いという部分では確かにこちらが有利な場合もあるかもしれん」

「そこは同意しときゃいいだろ」

 のらりくらりとした返事しやがって……杜斗は少し苛ついた。

 無口なんだかお喋りなんだかわかんねえこいつ。