杜斗の表情からして言ってもききそうにない。

 彼は諦めて杜斗に向き直った。

「いいだろう。だが、私の指示には従ってもらう」

「わかった」

「ほっホントにやるつもり!?」

 時弥は当惑して両手を泳がせた。

 そんな彼を杜斗は鼻で笑う。

「こんなチャンス滅多に無いぜ」

「チャンスって!」

 抗議しようとした時弥を無視しベリルに顔を向けた。

「地下に行くのを止めたよな。地下が取引場所なのか?」

 彼はバカでも無い事に感心しながらベリルは小さく頷く。

「幽霊たちの集会場だ」

 皮肉を込めた言葉に杜斗もニヤリと笑う。

 しゃべり方はエラそうだが人当たりは良いじゃないか。杜斗はベリルを見てそう感じた。