「……そんなもんをこんな場所で取引するってのか?」

 馬鹿げてる! 杜斗は呆れて両手を広げ肩をすくめた。

「だから、調べに来たのだよ。事実なら阻止せねば」

「なんであんたなんだ? 調査ならFBIでもCIAでもいいだろ」

「劣化ウランは放射能を含んでいる。私に要請するのは当然だろう」

 意味の解らない杜斗に向き直り言い聞かせるように発した。

「そういう事だ。肝試しは他でやってもらえないか」

「う、うん。そうだね。行こう杜斗」

「そうだな」

 素直に言った杜斗に時弥は安心した……が「肝試しなんてやってる場合じゃなかったって事か」

「え……?」

 笑顔が固まる時弥。ベリルは彼の言葉に眉をひそめた。

「俺たちも協力する」

「えぇっ!?」

 予想通りの言葉にベリルは溜息を吐き出す。