「上から眺められるよ。
……こっち、来て」
理くんの後に続き、
薄暗い階段を上げると、
視界がパッと広がり、
一面を
見下ろすことが出来る
スタンド席に辿り着いた。
コートでは
ユニフォームを着て
ボールを追い掛ける背の高い10人の男の子がいる。
………あっ!!!!
すぐに見つけてしまった。
見間違えるわけがない。
いつも見つめていた人なんだ。
「おお!淳平だ!!」
理くんが指をさして、
あたしたちに向かって声を上げる。
あたしのほうが
先に見つけちゃったよ。
あたしの目には
ドリブルをしながら、
滴る汗も気にせず
ゴールを目指す淳平くんの姿しか映っていなかった。
「淳平がゴール決めた!!
ナイシュー!」
華麗なシュートを決めた淳平くんが、
理くんの声に気づいたのか、
走って戻るときに視線を上げた。
「……あっ!」
ほんの一瞬、
ほんの一瞬だけど、
あたしとも視線がぶつかった。


