「とりあえず上がる?
散らかっているけど……」
そう言って、
その男性は
中へ行ってしまった。
あたしたちも
小さく頷き、中へ進む。
初めて踏み込む
男の独り暮らしの部屋。
理くんの部屋だと分かっていても
緊張してしまう。
キッチンと兼用になった暗い廊下を
ゆっくりと進むと、
カーテンの締め切った部屋に辿り着いた。
すると、
そこにはベッドで気持ち良さそうに眠っている理くんと、
床で熟睡している男性が居た。
部屋は
酒とタバコの匂いで
頭がクラクラしてしまうほどだ。
「佳代?来てくれたの??」
理くんは
佳代を見るなり、
ニンマリとガラガラ声で言った。
お酒で
やられた声だとすぐにわかる。
「……お、お兄ちゃん??
……何、これ??」
「昨日、合コンがあって、
それで、全敗して……、
それで……、
それで……」
「ちょっと!寝ないで!!
これから淳平くんのところに行くって
言ったでしょ!?」
また
布団の中へ潜ろうとする理くんを
引きずり出す佳代に、
「うぅぅ寝かせてぇ」と
甘えた声を出した。


