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式が終り、
在校生は校門の外で

卒業生を
見送る準備をしていた。


準備と言っても、

意中の卒業生から
ボタンをもらうために、

意気込む時間だ。


興味がない生徒は、

先生の目を盗んで帰ってしまった。


あたしは
淳平くんから
ボタンをもらうために、

玄関から
近い場所で待機をしていた。


さっきから緊張して、

口の中が乾いている。

喉もカラカラだ。



「「「わあ!!!」」」



ドッと
女の子たち歓声が響く。

たくさんの
荷物を持った卒業生が
玄関から出てきたのだ。


お調子者で
有名だった田口先輩を先頭に

卒業生がどんどんと出て来る。


部活の後輩から
花束を貰う卒業生。

ただ、
通り過ぎるだけで、
後輩と関わりがなかった卒業生。


あたしは
そんな卒業生を

一人一人確認しながら、

淳平くんの姿を待った。