あたし、脱ぎます!《完》



「俺、
お前のことが好きなんだ。

だから、
ほかの男なんて見るな」



「え、え、え、え……?!」



沈黙が流れ、

シーンとするリビング。


息を飲み、

あたしは急いで
台本に視線を落とす。


さっきのセリフは

ケンのセリフ?

雄介の気持ち?


でもホントに
キスするなんて……

何で?

なんで?

ナンデ?



「おい!!! 

萌香のセリフだろう?

途中で止めるなよ」



「……え? 
だ、だ、だって……。

雄介が……

キ、キ、キスなんてするから……、

あたし……」



シドロモドロになりながら、

台本を持つ手が震えた。

ジワッと汗が込み上げる。



「だって、
台本に書いてあるだろう?

だから………だよ」



雄介も
言葉に詰まりながら、

乾いた口を潤すように
オレンジジュースを口にした。



何も言わないあたしたちは

台本に視線を落とし、

言葉を探した。