・ケン
「あいつはお前のことなんて、
好きじゃないよ。
いい加減に目を覚ませよ」
・ユミ
「ケンに私の気持ちは理解出来ない」
・ケン
「俺はお前が振り回されるのを見てられないんだ。
自分に合う男を見つけろよ」
・ユミ
「もう私のことは放っておいて!!バカ!」
台本に視線を下ろし、
セリフを読み上げるあたしと雄介。
ト書きには、
ケンの胸を叩きながら、
もだえるユミ。
ケンはユミの両腕を掴み、
キスをする……と書いてある。
沈黙の後、
キスした後のセリフ
「何するの?!」を言おうとした時、
雄介が「な?」と
素の戻ったような声を出した。
あれ?ダメ出し?
「何?」と
あたしは雄介に向き返った。
すると、
雄介はあたしの肩を
力強く掴み、
顔を近づけた。
……え、
え、
え、
えっ?
な、な、何?
雄介は
あたしに唇に
そっと自分の唇を重ねた。
ケンが
ユミに何の了承もなく、
唇を奪うように……。
唇が離れ、
雄介が直視する。


