「……えっと。

萌香ちゃんだよね?

今日も観に来てくれたんだね」



爽やか過ぎるほど、

真白な歯を光らせる淳平くん。



「あ、いや……。

その……。

バスケが好きなんで……」



ホントはバスケなんて、
体育の授業でやったことがある程度。

しかも走るスポーツは苦手。

揺れる胸も見られたくないし、
バスケなんてやったら、
「どっちがボールだよ!」って、

男子に突っ込まれるのがオチ。


淳平くんはあたしたちに
「じゃ!」と軽く手を上げると、

理くんと
更衣室に行ってしまった。



あぁぁぁ
ドキドキしちゃった。


淳平くんと言葉を交わしたのは2回目。


1回目も
佳代と一緒に
バスケ部の最終試合を観に行った帰り、

理くんと4人で
学校から駅までの距離を話しながら歩いた。


名前を覚えていてくれたことが嬉しくて、

顔が
真っ赤になってしまったけど、

……バレてないよね?