教室の前で足を止め、
胸に手を当て、
大きく深呼吸をする。
廊下で
恋バナをしている女子の声も、
プロレス技を
かけ合っている男子の声も
一瞬、聞こえなくなる。
何が起きても、
あたしはあたしだ……。
何も悪いことはしていない。
自信を持とう。
息を吐き、
ガラッと扉を開ける。
案の定
「あ!!」という声が響き、
教室にいる生徒全員の視線が
あたしに集まった。
時が止まったように、
シーンとなる教室。
あたしは
そんな視線の中、
ゆっくり足を進め、
自分の席に着き、
腰を下ろした。
……やっぱり、怖い。
何言われるか、
怖いよ。
あたしって弱虫だよね。
こんな時、
淳平くんが居てくれたら心強いのに……。
あ、淳平くんもあたしがグラビアアイドルになったこと……
知らないんだ。
ちゃんと
話さなくちゃいけないのに……。
「永井!!
何で
俺たちに言わないんだよ!!」
大きな声を上げて
教室に入ってきた浩二が
あたしの机の上に
雑誌を広げた。
そこには
水着姿のあたしが写っている。


