あたし、脱ぎます!《完》




学校の
最寄り駅に着き、

見慣れた制服の生徒たちが
同じ方向へ歩いて行く。


いつもと
変わらない景色なのに、

胸騒ぎがする。



「お前、大丈夫か?

やっぱ、
さっきから顔色悪りぃぞ」



顔を覗き込む雄介が、

あたしの頭に
手を乗せた。



「何かあったら、
俺にちゃんと言えよ」と

頭をポンポンと
撫でるように弾ませた。



雄介は
あたしに優しい。


子供の頃、
いじめられたあたしを

何度も助けてくれた。


雄介は
忘れちゃったかもしれないけど、

あたしは
ちゃんと覚えているよ。



「萌香!雄介くん!!おはよう」



学校へ向かう坂道で、

背後から
佳代の声がした。



あたしたちは
「おはよう」と
普通に挨拶を交わした時、

一人の男子の視線を感じた。


斜め後ろの男の子、

あたしのことガン見している。



「雄介?
後ろの男の子、

あたしのこと見ているような……」



「……っえ?……どれ」



雄介が
視線だけ
斜め後ろに向けると、

「確かにこっち見てるな」と言った。



「だって、
あいつの手に
週刊スプラッシュがある」



朝、
コンビニで買った人が

既に見ているんだ。


学校で
話題になるのは時間の問題だね。


これは……。