「萌香ちゃん。
あなた、
良いタレントさんになるわ。
私が保障する。
今の感覚、忘れちゃ駄目よ」
ERIさんが耳元で囁いた。
あたしは
声にならない
「はい」という返事をしながら、
自分の姿を見ていた。
今までの
あたしとは、
比べものにならない。
グロスの色も、
ファンデーションの色も、
眉の色も……
すべてが違う。
流行りや妥協で
テキトーに作られた
自分とは違い、
素材を活かした姿がそこにあった。
あたしは
こんな風に変われるんだ。
こんな女の子になれるんだ。
あたしは
ケータイを取り出し、
鏡越しの自分を
カシャと撮ると、
真鍋さんの声が聞こえた。
「2人ともこっち来て!
スタンバイが出来たから!」
「はーい!今、行きます!!」
ERIさんの通る声が響き、
「じゃ行こうか」と
あたしの肩を叩いた。


