「俺は風龍4代目総長の、新橋悠基だ。 よろしくな」 こいつはきっと、俺の名前も知らねぇ。 知りもしねぇ女に名前を呼ばれたり、写メを撮られたりすることはあっても、普通に接してくれる奴はいなかった。 自惚れてるわけじゃねーけど、俺の名前を知らねぇ奴はいなかったし、女に名乗るってことはしなかった。 ……家の仕事関係以外では。 でも、俺のことを知らねぇ女だからこそ。 知っても、態度を変えねぇ女だからこそ。 きっと俺は―――