私が1人、あたふたしていると。 「……亜美?」 『は、はいっ!!』 私の名前を呼ぶ、テノールの心地よい声。 初めて聞くこの人の声は、甘い響きも含んでいるよう。 「男には綺麗って言うより、かっこいいって言うもんだろ」 そう言うと、ふっと笑った。 冷たい印象が、どんどん消えていく。 『笑ったら。 笑ったらかっこいいです……』 私がそう言うと、銀髪の人は目を見開いた。 わ、私、何言ってんだろ。 今さらながら恥ずかしくなってきて、顔を真っ赤にしていると。