龍の女神となるべき姫【上】



『行くって言っちゃったんだから、仕方ないでしょ』



「まぁ、そう怒んなよ。
もう少ししたら担任が来っから、それまで軽くここの説明しとくな」




そこで聞いた話によると、ここには族に入ってる子が結構いるらしい。



拓也君の学校だから、それくらいは覚悟してたけど、ほんと厄介なとこに来ちゃった。



まさか、全国No.2の風龍[フウリュウ]までいるなんてね。




「ところでお前、髪は染めたのか?」



『ううん。カツラだよ。
お母様がこれで行けって』




私は今、黒のウィッグとカラコンを着けてる。



普段の、金髪に空色の瞳だったら目立つからね。



成瀬グループ令嬢ってことは、黙っとくつもり。