『行くって言っちゃったんだから、仕方ないでしょ』
「まぁ、そう怒んなよ。
もう少ししたら担任が来っから、それまで軽くここの説明しとくな」
そこで聞いた話によると、ここには族に入ってる子が結構いるらしい。
拓也君の学校だから、それくらいは覚悟してたけど、ほんと厄介なとこに来ちゃった。
まさか、全国No.2の風龍[フウリュウ]までいるなんてね。
「ところでお前、髪は染めたのか?」
『ううん。カツラだよ。
お母様がこれで行けって』
私は今、黒のウィッグとカラコンを着けてる。
普段の、金髪に空色の瞳だったら目立つからね。
成瀬グループ令嬢ってことは、黙っとくつもり。

