龍の女神となるべき姫【上】



『言ってくれてありがとね』




少々時間はかかったけど、みんなも悩んでくれてたんだよね。




『でも、あんま私を見くびんないでよ?』




私を誰だと思ってんの?




『私は、4代目風龍総長に選ばれた、銀姫だぞ?』




1文字1文字、噛みしめるようにして伝える。




そして悠基の前に行き、



『あんたの選んだ姫、見くびんな』



そう言って、不敵に笑ってみせた。






そのあとの、自信を取り戻した悠基の行動は早かった。



悠基はふっと笑ってみせると、いきなり、



『きゃっ』



私を抱き上げた。




悠基は私を横抱きにしたまま、ドアへと向かっていく。