『言ってくれてありがとね』
少々時間はかかったけど、みんなも悩んでくれてたんだよね。
『でも、あんま私を見くびんないでよ?』
私を誰だと思ってんの?
『私は、4代目風龍総長に選ばれた、銀姫だぞ?』
1文字1文字、噛みしめるようにして伝える。
そして悠基の前に行き、
『あんたの選んだ姫、見くびんな』
そう言って、不敵に笑ってみせた。
そのあとの、自信を取り戻した悠基の行動は早かった。
悠基はふっと笑ってみせると、いきなり、
『きゃっ』
私を抱き上げた。
悠基は私を横抱きにしたまま、ドアへと向かっていく。

