「ちっ。認めたくねぇ……」
《何か言いました?》
「何も言ってねぇよ!!」
あぁ、嫌だ。だけど亜美のためだ。
仕方ねぇな。
「なぁ。亜美を一晩泊めてやってくれ」
《……何、企んでるんすか?》
企む?ばか言え。
誰が好き好んで、可愛い妹を男の巣窟ん中に放り込むかよ。
俺が、さっきからどれほどバイクのキーに手が伸びそうになんのを堪えてることか。
でも、こいつなら安心して任せられる。
少ししゃべっただけだが、よくわかった。
―――こいつは、いい男だ。
もともと、風龍の悪ぃ噂は聞いたことねぇしな。
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